離人症カウンセリング

離人症とは自分が自分で無い感覚。「心ここにあらず」程度なら誰しも経験はあるが、離人症では自分から離れ俯瞰的に自分を見ている不思議な感覚や現実を現実として捉えられない感覚に支配され繰り返される状態を離人症と言う。

目次

離人症とは~自分が自分ではない感覚~

「心此処にあらず」

「心ここにあらず」このような感覚や状態は誰しも経験があるのではないでしょうか。想定外のことが起こり成す術なしの放心状態、他事を考えていて今ここに自分の意思がないような状態、ボーッとしていて意思がどこかにあるような感じです。

離人症はそのレベルを越えてきます。自分がそこにいることは分かるのに、まるで心と体が分裂してしまったような、自分が自分でない不思議な感覚が支配し、気持ち悪い感じ、ふわふわした感じが離人症では繰り返されます。自分を俯瞰しているような感じと言われる方もいらっしゃいます。自分は別にいて近くで眺めている状態と言えます。

また、現実が現実として感じられず夢見心地な状態を感じることもあります。我が身として起こっているにも関わらず、ドラマや映画のようにスクリーンを通して見ているような、リアルに起こっている実感が持てない状態。

痛みや辛さをダイレクトに感じそうなのに、膜を張ってシールドされているような状態により、リアルな感覚として感じられない状態を離人症は体感します。

大阪聖心こころセラピーにも離人症でお悩みの方がカウンセリングを受けにいらっしゃいます。共通しているのが自分という感覚がないこと。不思議な感覚を繰り返し感じていらっしゃること。自分を見失ったわけではなく、自分はそこにあるのにその自分を眺めている自分がいる。

言葉では説明し難い不思議な感覚を治したくて訪れる方が多いです。

生き辛さには必ず原因やきっかけがあります。離人症の症状が起きるようになったことにも何かがあるのです。その原因たる対象を知らなければその対処も難しく、これまでのご経験や親子関係、家庭環境、人間関係などに原因を探ることを離人症克服の第一歩として、大阪聖心こころセラピーで一緒に取り組んでいきましょう。

離人症に陥った場合の困りごと

離人症にはどのような症状が表れるのでしょうか。症状による生き辛さはどのようなものでしょうか。

 世界が世の中がなにやらボンヤリと見える

 感覚の違いや違和感が繰り返し頻繁に起こる

 急にスクリーン越しに自分を眺めている感覚になる

 自分と外界の間に1枚の膜やシールドがある気がする

 現実感が無く今起きている出来事の意味が分からない

● 自分を真上や真横から眺めている感覚になる時がある

 これまで感じてきた感覚が今までとは異なる感じがする

 夢の中のようなフワフワした浮遊したような感覚がする

 見たことのない光景をまるで見たことがある気分になる

 今まで何度も見て体験したことが生まれて初めてに思う

自分が自分でない状態、そんなとても不安定な感覚に強い違和感や不安が湧き起こると思います。この感覚がいつ起こるのか、この感覚は永遠に続くのか、なぜこのような感覚に陥入るのか、そんな離人症の症状に困り、思い悩み、大阪聖心こころセラピーのカウンセリングに来られる方は決して少なくありません。

一見危害が少なくリスクが低いように思える離人症の症状は、実はその人の人生で大きな損失を生み出しています。自分が主体として生きられていないこと、そのこと自体が実は大きな問題です。自分が主役のストーリー(人生)にも関わらず突如主役がいなくなる、これほどに大変で驚く事は滅多にありません。

また主役自身もなぜ自分が居なくなったのかが分からないという不思議な現象が起きています。

人生において自分が主役の舞台に常に自分が立ち続けること。これが本来あるべき姿ではないでしょうか。ただ言えることは何かが起因となり離人症が起こっています。次項はどのような原因が考えられるか触れていきます。

離人症は親子関係に起因するケースが多い

離人症の多くは子供の頃の虐待・精神的虐待・ネグレクト(育児放棄)、勉強などの強いストレスやプレッシャーなどが起因となり発症します。その中でも大阪聖心こころセラピーで離人症のカウンセリングをしていて見られる一つの傾向として「離人症と親子関係」をピックアップします。

子供の頃、親や目上の人からガミガミ、くどくど叱られた経験はありませんか?親は子に正しくあるように叱る訳ですが、叱っている内容が事の本質からズレていたり、過去の話題を持ち出したり、人との比較することなどが続くけば、またかぁと思い今ある自分に起きている現実とは違う他事(ほかごと)を考えてしまうこともあったと思います。

「あの置き物はあんな所にあったかな」「この部屋にある赤い物は1個、2個、3個…」と叱られている自分をよそに他の事に意識がいっています。正に「心ここに在らず」の状態です。

親と子の間に疑いようのない信頼関係や深い絆が形成されていれば良いのですが、コミュニケーションが上手くできなかったり、親の気分で叱られたり叱られなかったりすることが起これば関係性の不安定さや混乱から離人症に繋がりやすくなります。

虐待がある親子関係では子が酷いことを言われたり暴力を振るわれている中で他事を考え何とかしてその場をやり過ごすといった行動に出ることがあります。次第に心と体が分裂したように感じ、きつく怒られ強いストレスを感じた時に、同じような離人体験をするケースがあります。

離人症状は生きていくための防衛反応とも言えるでしょう。本来聞き流したり退けたりしたかったところに、刺激やストレスが強過ぎて受け止めきれず、結果心と体を分離させたり、外界との間にシールドを作って自分を守ったりしてきたと考えられます。

親子関係は子供の人生に大きく影響します。親子関係が引き金になる精神的心理的病気などはいくつもありますが、離人症もそれに当てはまるケースが多いと考えられます。

離人症に見られるパーソナリティタイプ

離人症の症状に悩まれている方の人柄やパーソナリティには今までのカウンセリングの経験上、似通った部分があるように感じます。

真面目で優しい離人症タイプ

何事にも真面目に取り組み、愛想が良く、よく気が付き、気配りができる優しい性格の方が離人症には多いように思います。しかしその真面目さや優しさは果たして本人が本心から望むものなのでしょうか。

小さい頃から何かある度に親から注意を受け、大きな期待を背負い、親の様子を伺いながら期待に応えようと勉強や習い事に真面目に取り組んできた子供時代。受験の失敗や進学先での成績不振、いじめなどの強いストレスが引き金となり、今ここにいる自分の存在の意味が分からなくなったり、友達との間に隔たりがあり別世界を生きているような感覚となり、会話について行けず無理に作り笑いをするものの何が面白いのか分からないといった症状に悩まされたりします。

平和主義な離人症タイプ

争いのない穏やかな毎日を望んでいる方にも離人症は多いように思います。善悪考えず誰かが我慢すればことが収まるのなら、率先して自分の意見を飲み込み平和を保とうとします。例え不快であっても競い合うことや闘うことを望みません。

抑圧された感情と溜まり続けるストレスにより自分が自分でないような感覚が初めは強くストレスを感じた時に現れ、次第に日常生活でも頻繁に現れるようになり、自分という存在が何なのか分からないと悩まれることもあります。

やる気がなく怠惰に見える離人症タイプ

離人症を発症すると自分が自分でない感覚、現実味を帯びない毎日が頻発して続きます。自分自身も時には親しい友達でさえも何者であるのか、なぜいるのか理解できず、孤立してしまったり、表情が顔に出ることが少なくなったりすることで、ボーッとすることが多くなり集中力に欠けることが多くなります。

その様子を周りの人が見ると、やる気がなかったり怠けているように見えるかもしれません。熱血指導をしているにも関わらず相手は「心ここに在らず」の状態ではお互いに不一致が起き不快に感じられてしまいます。まずは本人の状態を知り、焦らずのんびりさせてみるのも改善の一つと言えるでしょう。

優しそうに見えて、実は辛さや苦しさを抱えているのであれば、ぜひ大阪聖心こころセラピーのカウンセリングをご検討ください。

離人症には合併症となる組み合わせがある

離人症は離人症単独として発症することは余りなく、主にうつ病やPTSD、強い不安やストレスなどが基となり症状が現れることが特徴です。

離人症とうつ病

不安や無力感が強くあり「自分はダメな人間だ」と自己肯定感も低い状態で、ふとした瞬間に今まで感じていた感覚とは異なるものを感じ、現実味を帯びないフワフワとした空間が広がってくることがあります。

周りの励ましの言葉や期待がプレッシャーとなり、離人症の症状が持続的に頻繁に起こるようになれば、毎日に楽しみを感じられず、空虚感や孤独感を抱いて生活することになります。規則正しい生活を送ることも難しいため、睡眠不足や疲労が重なり日常的に離人状態や現実喪失感が起こる事にも繋がります。

強い不安を和らげ、生活リズムを整え、うつ病に至った原因を探り改善をしていくことで、自ずと離人症の症状も改善してくることもあります。

離人症とPTSD

心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、強いストレスや強烈なショックを受けたことで心身にダメージを負い、時間が経ってからもその時に感じた強い恐怖や不安がリアルに再現されて苦しみます。

自然災害や事故、虐待やDVやレイプなどが原因になることが多いのですが、そのレベルにまで至らなくとも、人生において受け入れ難い出来事や生きる気力を失うほどの体験から離人症へ繋がるケースもあります。

自分を自分として感じない、夢を見ているような異空間などの離人状態は、恐怖や不安から逃れるため、自分を守るために感覚を曖昧にさせたり、辛く苦しく感じている自分を自分と思わないようにするための反応とも言えます。

安心感と共に辛い経験や深くダメージを負った原因が無理なく語ることができてくれば、やがて分裂していた自分が統合されるようになり、今ここに生きている感覚と沸き起こる感情をしっかりと感じることができるでしょう。

離人症の他のページに記述した「離人症と親子関係に起因するケースが多い」のように親子関係や様々な要因がきっかけとなって症状が現れるケースがあります。

「心ここに在らず」の状態は多くの人が経験したことがある感覚ですが、持続的に頻繁に現れ、生活に支障が出ていると感じているようであれば、離人症に実績のある大阪聖心こころセラピーへ来られ早期の改善をお勧めします。

離人症と向き合っていくには

離人症の「自分が自分でない感覚」「現実味のない感覚」は比較的大人よりも子供のほうがなりやすい傾向にあります。

子供は自分と外界との境界や関係が曖昧なため離人症になりやすいようですが、最近では二次元やバーチャルな世界が非現実でありながらもリアルに再現されているものが多く、本来実世界で体感する出会いや体験が少なくなってしまったことも、自分と外界との曖昧さを助長しているのかもしれません。

しかし決して子供ばかりが離人症になるということではなく、大人になり年齢を重ねるほど就職、昇進、結婚、転職、出産、介護など様々なライフスタイルを経験し、どんどん人生に現実味を帯びてくることになります。

人間関係やコミュニティなどが変化するにつれ、子供時代の未解決のままの問題が生き方そのものに大きく影響したり、歪んだ生き辛い考え方を身に付けたままストレスが重なり心と体に不具合が生じてしまったり、また、突然のショッキングな出来事により心身ともにダメージを受け、立ち直ることも到底難しく唯々今を生かされているような感覚が支配してしまうなど、そんな現実味を帯びてくる感覚に支配されるにつれその現実を受け入れ難いものと感じ、結果自己防衛とも言える離人症の症状が出現してくるように考えます。

大阪聖心こころセラピーにも離人症の症状に悩まされる方が多くいらっしゃいます。離人症状の強弱は様々ですが、共通するのは親子関係や家庭環境が多く起因していること、自分の人生でありながらも主体性に欠け、これと決めて歩めていない方が多いように思います。

特に子供時代というのは生きていく上で親が絶対であり、親子関係で生じた間違った考え方や行動に気づかないまま成長し、気付かぬまま自分を苦しめているということがよくあります。

自分を見つめ直し、今苦しめているものの原因やきっかけは何なのか、その解決や改善にはどのような方法が考えられるのか、ぜひ大阪聖心こころセラピーのカウンセリングで見つけていきましょう。離人症に至った原因を改善していくことで、離人症の出現頻度は減少し、離人感覚の程度も落ち着いてくることが多くあります。

離人症の克服~自分が自分であるために~

 「自分が自分でない感覚」

 「フワフワした現実感のない感覚」

 「自分はそこにいるのに、そこにいない不思議な感覚」

 「今起きていることをまるで景色を眺めているような感覚」

 「自分の感情も相手の感情も曖昧で麻痺してしまったような感覚」

 「自分の周りがベールで覆われているような外界との疎外感や孤独感」

自分でも良く分からず説明し難い離人症の感覚にこれまで悩み苦しんでこられたと思います。加えて人に説明しようにも上手く伝えられないもどかしさと理解されにくい感覚に孤独感が増し、さらに症状が強まっていったかもしれません。

離人症の感覚が起こるのは、強いストレスやトラウマをフラッシュバックさせるような出来事などから自分を守るために「これ以上無理です、受け取れません」という心のSOSでもあると言えます。

離人症の症状に耐え、我慢してきたかもしれませんが、一時的に耐え忍んでも離人症の不思議で不気味な感覚は、さらにひどく頻繁に起こったのではないでしょうか。

離人症の感覚を感じたらその場から離れてみてください。今やっていることを一時中断させて自分を落ち着かせるように心がけてみてください。心のSOSを無視したり抑え込んだりせず受け取って「離人症の感覚が起こるのは、自分に無理をさせないようにしているんだ」ということを自覚できると良いでしょう。

大切なのは「今ここにある現実を自分が主体で生きること」です。

大阪聖心こころセラピーでカウンセリングや認知行動療法などの適切な心理療法を受けられた方で、乏しかった表情がほぐれて感情表現ができるようになり、自分がこれからどのようにしたいのか自分の物差しで考えることができるようになり、結果離人症の不思議な感覚も落ち着いたという方を何人もみています。

たった一度きりの人生です。一人で我慢して抱え込まず、一度カウンセリングを受けてみるのも一つの改善への方法です。今ある生き辛さから脱し、自分らしい楽しい生き方へとシフトチェンジしてみませんか。

大阪で離人症の悩みや相談のカウンセリングは聖心こころセラピーへお越しください。離人症に精通するカウンセラーが問題の解決に向かうよう導かせていただきます。安心してお気軽にお申し込みください。

目次