完璧主義のあなたに~ポモドーロ・テクニックを活かす~

ポモドーロタイマー

こんにちは。カウンセラーの坂上です。
もう既に11月も半ばというのに、暖かい日が続いていますね。
今日は東京で季節外れの桜が数輪咲いているというニュースを聞きました。桜もビックリしているでしょうね。

ところで、ポモドーロ・テクニックというものをご存じでしょうか。
これは短い作業と休憩を繰り返すことで集中力を保ち、作業の効率を高める時間管理法です。

考案者であるイタリア人大学生が、トマト(イタリア語でポモドーロ)型のキッチンタイマーを使用していたことから、ポモドーロ・テクニックと言われるようになりました。トマト・テクニックって考えると、なんだかユーモラスですね。
1980年代に考案されたそうですが、寡聞にして私は最近まで知りませんでした。

基本的には、25分の作業と5分の休憩を1セット(ポモドーロ)として、これを4回繰り返したら15〜30分の長めの休憩を取る、という流れで行います。

このサイクルによって、集中力を保ちながらも適度なリフレッシュを挟むことで疲労感が減り、持続的に作業を続けやすくなります。
脳が集中できる時間は15分と言われていますから、脳科学的にも有効なのでしょう。

このテクニックは仕事や勉強、家事などのタスクの区切りに使う他に、完璧主義の傾向がある方にとっても大変効果的です。

まず、25分の短い作業サイクルを終えるたびに得られる小さな達成感は自己効力感を高め、徐々に「十分やれていない」という感覚を和らげる助けとなります。

完璧を求めすぎずに、目の前の小さな成功を積み重ねていくことが、自己肯定感を育む大切な一歩です。

さらに、時間が来たら手を止めるというルールを活用することで、「まだ十分ではない」「もっとできたはずだ」という自己批判を一時的に手放し、次のサイクルで改善を図るという柔軟な考え方を身につけやすくなります。

また、大きな目標を達成しようとするときも、ポモドーロのサイクルに沿ってタスクを細かく分けて取り組むと、少しずつでも確実に前に進んでいる感覚が持てます。

一度に全てを完璧に仕上げるのではなく、少しずつ積み重ねていくことで、「十分にやれていない」という不安感が和らぎ、ポジティブに取り組み続けることができるでしょう。

つまり、ポモドーロ・テクニックは、完璧主義の人が陥りやすい「全体の高い完成度」に意識を集中する習慣から、「目の前の小さな成功に意識を向ける」習慣に転換するきっかけを与えてくれると言えます。
完璧主義の傾向がある方は、このテクニックを一度試してみてくださいね。

また、ポモドーロ・テクニックは次のように使うこともできます。

●心のリフレッシュタイム
普段の生活の中で、自分の気持ちや思考を整理するために、「心のポモドーロ」として使いましょう。
たとえば、25分間、自分の感情について日記を書いたり、瞑想をしたりする時間にあてて、気持ちを整えます。

●マインドフルネスや自己対話
「25分間自分の気持ちを聞く」「日常の感謝を書き出す」など、短時間だけ自分と向き合う時間を作り、意識的にマインドフルなひとときを過ごします。

●人間関係の「つながりタイム」
「25分間、スマホを置いて、パートナーや家族との会話に集中する」「家族でゲームをする」「友達と一緒に趣味に取り組む」など、身近な人達と短時間に集中して質の高いコミュニケーションを楽しむようにします。

こんなふうに、メンタルヘルスにもポモドーロ・テクニックを役立ててみてくださいね。

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