【カウンセリング事例】愛着障害

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事例

カウンセラー

ご自身の漠然とした生きづらさを訴えてご相談にみえたA男さん。
A男さんのご両親は教員で、いつも夜遅くまで働き、土日も部活動の指導監督で出勤していたそうです。

A男さんも教員となり、結婚をして子にも恵まれましたが、幸せであるはずの今の状況に違和感があるとのことでした。妻や子供がいるはずなのに寂しい、公務員という職にも文句はないはずなのにやりがいを感じられないなど、辛い表情で話されていました。

A男さんの過去に遡るとお母さんもお父さんもいないことの多い寂しい子供時代を送り、「教員の子供だから」と躾は厳しく、何事も常に上位を狙うように教えられていた呪縛が未だにA男さんを苦しめているようでした。そして、自分の子供を愛せていないのではないかとの葛藤している姿もありました。

A男さんが自覚できなかった過去の課題を一緒に振り返り、寂しく自信の持てなかった子供のA男さんを癒すことで、思考の再構築に取り掛かりました。
考え方や捉え方を見直すことで随分生きやすくなったと柔らかい顔つきで話すA男さんは、最近子供と一緒に思いっきり公園で遊んだり、家族で海を見に行ったり、抱えきれない仕事は再検討してもらうように申し出たりと、公私ともに充実した日々を送っているそうです。

A男さんのような背景を持つ方でも人に愛され愛すことは十分にできるのです。

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